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証跡集めを自動化すると、監査される対象が増えることがある

著者:SecBilly 公開 2026-09-21

証跡集めを自動化しても、管理する対象は消えない。手を動かす時間は減るが、説明する責任は残る。

自分の場合、反対はされませんでした。止まったのは技術でもありません。止まるのは権限や保存先といった手続きで、しかも作った仕組み自体が新しく監査される対象になります。

別の記事で「監査対応を『面倒な作業』ではなく『自動化の対象』として見られたのは、開発をやっていたから」と書きました。そこで止まっていたので、その先を書きます。

この記事の要点

先に、この記事の範囲

勤務先のシステム構成、使っているツール、監査法人の名前、受けた具体的な指摘は書きません。書くのは壁の種類反応の傾向だけです。

自分の観測と、その理由についての自分の解釈は、分けて書きます。

反対はされなかった

この記事を作るとき、「手でやったほうが早い」と言われた経験を聞くつもりで質問を用意しました。想定が外れました。

言われたことはない、という答えでした。

理由は単純で、楽になるからです。手で集めていたものが自動で集まるなら、集めていた側は困りません。

自動化の話でよく語られる「現場の抵抗」は、少なくとも自分の場合は起きませんでした。

止まるのは、手続きのほう

代わりに時間がかかったのは、次のようなことです。

どれも技術の問題ではありません。誰に話して、何を決めるかの問題です。

権限ひとつ取るにも、説明して合意を取る場が要ります。手を動かす前に、この時間が要りました。

自動化すると、監査される対象が増える

3つ目の「実行場所」が、この記事でいちばん書きたかったところです。

実行する場所によっては、その仕組み自体が監査の対象になります。

証跡を集める処理は、統制の記録を作る処理です。だからその処理が正しく動いていること自体を、説明できる必要が出てきます。

別の記事で「『動いています』では通らない」と書きました。それが、自分の作ったものに返ってきます。

実行する場所によっては、面倒を減らすために作ったものが新しく管理する対象になるということです。

手作業を自動化すると、作業は消えます。ただし管理の対象は消えず、置き換わります。減るのは手を動かす時間で、減らないのは説明する責任です。

監査人の質問は、減らずに変わった

自動化したあと、監査人の反応は変わりました。ただし「質問が減った」ではありません。

違う種類の質問になりました。

細かい不具合まで拾われるようになり、それを自動化で潰せているかを問われます。

理由について、自分はこう解釈しています。相手がAIを使うようになったからではないか、と。ただしこれは受ける側から見た推測で、確かめたわけではありません。

問われる内容が、そこに移りました。

いま思うこと

振り返って思うのは、ひとつだけです。

もっと徹底してやればよかった、ということです。理由までは聞けていません。

まとめ

開発の経験は、開発チームと会話ができること自動化用のスクリプトを書けること、そしてそれを直せることで役に立っています。

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SecBilly

フルスタックエンジニアを約11年、そこから同じ会社で情報セキュリティへ1年3か月、 現在は GRC 専任(セキュリティ・GRC は通算3年10か月)。 情報処理安全確保支援士(RISS)を受験中です。勤務先は公開していません。

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