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エージェント20社に会って分かったこと
セキュリティ職を探して、転職エージェント20社と面談しました。 応募103社のうち、7割はエージェント経由です。
ただ、記録を集計して分かったのは、エージェント経由と直接応募で、書類の通過率がほとんど変わらなかったということでした。
この記事の要点
- エージェント経由の書類通過率は32%、直接応募は30%。差はほぼない
- それでも20社に会った理由は、通過率ではなく情報にあった
- 最大の価値は不採用の理由が返ってくること。83社中76社の理由が記録できた
- 良かった3社に共通していたのは押しが強くないこと
- セキュリティ求人は数が限られるので、1社で完結させないほうがいい
なぜ20社も会ったのか
最初から20社と決めていたわけではありません。
セキュリティ・GRC の求人は、そもそも数が限られています。1社のエージェントが出せる案件は、多くて10件程度でした。そのうち自分の経験年数で応募できるものは、さらに少なくなります。
だから声がかかったところには基本的に会いました。結果として20社になった、という順番です。
エージェント経由と直接応募で、通過率は変わらなかった
経路を分類できた91社を、エージェント経由と直接応募(LinkedIn など)に分けました。
| 経路 | 応募 | 書類通過 | 通過率 |
|---|---|---|---|
| エージェント経由 | 68社 | 22社 | 32% |
| 直接応募 | 23社 | 7社 | 30% |
2ポイントしか違いません。
面接を2段階以上進んだ数で見ると、エージェント経由7社(10%)、直接応募4社(17%)で、むしろ直接応募のほうが高いくらいでした。母数が小さいので差として扱えませんが、少なくとも「エージェントを通せば通りやすい」とは言えませんでした。
なぜ差が出ないのか
推測ですが、落ちている理由が年数だったからだと思います。
不採用の理由が記録できた76社のうち、79%は「経験不足」でした。これはセキュリティ専任としての年数の話です。誰が推薦しても、年数そのものは変わりません。
エージェントの推薦が効くのは、年数の条件を満たしていて、そのうえで比較される場面なのだと思います。要件に届いていない候補者を、推薦で押し込むことはできません。
ではエージェントの価値は何だったか
通過率ではありませんでした。実際に役に立ったのは2つです。
① 自分では見つけられない求人が出てくる
公開されていないポジションが、確かにありました。特に外資系は、募集を公開せずエージェント経由だけで動かしているところがあります。
20社に会ったのは、この「見つけられない求人」の重複が少なかったからでもあります。5社に会っても、出てくる案件がほとんど被らない。セキュリティ求人の市場が薄いぶん、各社が持っている案件もバラバラでした。
② 不採用の理由が返ってくる
これが最大の価値でした。
直接応募だと、落ちたときに返ってくるのは定型文です。理由は分かりません。
エージェント経由だと、先方のフィードバックがそのまま伝わってきます。 「5年以上の経験がない」「セキュリティ以外の経験が長く即戦力として期待できない」といった具体的な文面です。
不採用83社のうち、76社(92%)の理由を記録できました。 これはエージェントが返してくれたからです。この92%がなければ、「落ちた理由の79%は経験不足」という集計そのものができていません。
次に何を直せばいいかが分かるのは、理由が返ってくるときだけです。
20社の内訳と、紹介件数の偏り
会った20社を性格で分けると、こうなります。
- 外資系の人材紹介会社(バイリンガル・グローバル案件が中心)
- 国内大手の総合エージェント
- IT・エンジニア特化
- セキュリティを扱うと明記していたところ
いちばん多かったのは外資系でした。これは検索の結果ではなく、最初から外資を中心に探していたからです。
社会人の最初の2社は日系でした。職場の雰囲気が合わず、3社目で外資に移っています。そこからはずっと外資で、自分に合うのはこちらだと分かっていました。
だからエージェントも、外資に強いところに自然と寄りました。「セキュリティ職を探したら結果的に外資になった」のではなく、外資のセキュリティ職を探していたという順番です。
この偏りは数字にも出ている
記事「103社応募した記録」で、日系の書類通過率25%、外資39%と書きました。ただしこの差を「外資のほうが入りやすい」と読むのは危険です。
自分は外資を本命として探していたので、外資の求人には準備を厚くしていました。応募先の選び方も、書類の合わせ方も違います。通過率の差には、それが混ざっています。
紹介件数は極端に偏った
エージェント経由の応募68社を、紹介元ごとに数えました。
- 最も多いところから 13件
- 2番目から5番目が 7〜9件
- 上位5社で45件。エージェント経由の3分の2
- 残り15社は 1〜3件ずつ
つまり、20社に会っても、実際に案件を出してくれたのは5社でした。
「会う」と「出てくる」は別
残り15社が悪かったわけではありません。単に、条件に合う案件をその時期に持っていなかっただけです。
セキュリティ求人は流動が遅く、1社が常時抱えている数が少ない。だから会った時点では何も出せなくても、3か月後に出てくることがあります。
逆に言うと、1〜2社に絞ると「その2社がたまたま案件を持っていない期間」に当たるリスクがあります。20社は多すぎたかもしれませんが、5社では足りなかったと思います。
良かった3社に共通していたこと
この記事に広告リンクはありません。当サイトは将来、転職エージェントの紹介で収益を得る予定ですが、 2026年9月時点で以下の3社を含むどの会社とも、金銭的な関係はありません。実際に利用した個人の感想です。
enWorld・BRS・Skillhouse の3社が良かったです。
共通していたのは1点でした。押しが強くないこと。
こちらが「このポジションは違うと思う」と言ったときに、そのまま引いてくれる。無理に応募を勧めてこない。次の案件が出るまで待ってくれる。
名前を挙げていない会社が悪かったという意味ではありません。多くは普通に良い対応でした。ここに挙げたのは、特に印象に残った3社です。
なぜ「押しの強さ」で分かれるのか
セキュリティの求人は数が限られています。エージェント側も、出せる案件が少ない。
そこで「とりあえず出しましょう」と数を押してくるところと、「これは合わないと思います」と減らしてくるところに分かれました。
数を押されると、応募数は増えます。でも通過率は上がりません。 要件に届いていない求人に出しても、結果は同じです。増えるのは自分の作業だけでした。
連絡が来なかったところが2社あった
社名は出しません。不採用になったあと、連絡や理由を確認できなかったエージェントが2社ありました。
こちらから聞いても、手元の記録では返信を確認できていません。
責める話ではなく、構造の問題だと思っています。エージェントは企業から報酬を得るので、決まらなかった候補者への対応は後回しになりやすい。理由を伝える義務もありません。
ただ、候補者から見ると、理由が返ってこないエージェントは使う意味が薄いです。前の節に書いたとおり、エージェントの価値の半分は理由が返ってくることにあります。
面談で聞かれたのは、ほぼ「なぜ」だけだった
20社と面談して、セキュリティ職を志望する理由を掘られる以外に、特徴的な質問はほとんどありませんでした。
「なぜセキュリティをやりたいのか」。これだけです。
そこで話したことが、そのまま推薦文になる
この質問への答えは、エージェントが企業に出す推薦文の材料になります。自分の言葉がそのまま先方に届くと考えたほうがいい。
20社に同じことを聞かれるので、回数を重ねるほど答えが整理されていきました。 逆に言うと、最初の数社には整理できていない状態の説明を渡しています。
練習の意味でも、本命を最初にしないほうがいいというのは、20社受けたあとの実感です。
自分ならこう選ぶ
20社に会ったあとで、選び方を言語化するとこうなります。
- 1社で完結させない。セキュリティ求人は薄いので、案件が被らない。3〜5社は並行する
- 初回の面談で「合わない案件を断ったときの反応」を見る。ここで押してくるところは、その後もずっと押してくる
- 不採用の理由を返してくれるかを確認する。「フィードバックはもらえますか」と初回で聞いていい
- 自分の領域を扱っているかを見る。セキュリティと一口に言っても、SOC・脆弱性診断・GRC で扱うエージェントが違う
最後の1つが意外と大きくて、「セキュリティに強い」と書いてあっても、GRC の求人はほとんど持っていないところがありました。初回の面談で扱っている案件の中身を聞くと、早めに分かります。
まとめ
- エージェント経由32%、直接応募30%。書類の通過率はほとんど変わらなかった
- 差が出ないのは、落ちている理由が年数だったから。推薦では変えられない
- エージェントの価値は求人の発見と、不採用の理由が返ってくること。特に後者
- 83社中76社の理由が記録できたのは、エージェントが返してくれたから
- 良かった3社に共通したのは押しが強くないこと。数を押されても通過率は上がらない
この記録も一人分です。ただ、「エージェントを使うと通りやすい」と考えていたのは自分の思い込みで、実際に効いていたのは別のところだったというのは、記録を取っていなければ気づけませんでした。
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