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エージェント20社に会って分かったこと

著者:SecBilly 公開 2026-09-10

セキュリティ職を探して、転職エージェント20社と面談しました。 応募103社のうち、7割はエージェント経由です。

ただ、記録を集計して分かったのは、エージェント経由と直接応募で、書類の通過率がほとんど変わらなかったということでした。

この記事の要点

なぜ20社も会ったのか

最初から20社と決めていたわけではありません。

セキュリティ・GRC の求人は、そもそも数が限られています。1社のエージェントが出せる案件は、多くて10件程度でした。そのうち自分の経験年数で応募できるものは、さらに少なくなります。

だから声がかかったところには基本的に会いました。結果として20社になった、という順番です。

エージェント経由と直接応募で、通過率は変わらなかった

経路を分類できた91社を、エージェント経由と直接応募(LinkedIn など)に分けました。

経路応募書類通過通過率
エージェント経由68社22社32%
直接応募23社7社30%

2ポイントしか違いません。

面接を2段階以上進んだ数で見ると、エージェント経由7社(10%)、直接応募4社(17%)で、むしろ直接応募のほうが高いくらいでした。母数が小さいので差として扱えませんが、少なくとも「エージェントを通せば通りやすい」とは言えませんでした。

なぜ差が出ないのか

推測ですが、落ちている理由が年数だったからだと思います。

不採用の理由が記録できた76社のうち、79%は「経験不足」でした。これはセキュリティ専任としての年数の話です。誰が推薦しても、年数そのものは変わりません。

エージェントの推薦が効くのは、年数の条件を満たしていて、そのうえで比較される場面なのだと思います。要件に届いていない候補者を、推薦で押し込むことはできません。

ではエージェントの価値は何だったか

通過率ではありませんでした。実際に役に立ったのは2つです。

① 自分では見つけられない求人が出てくる

公開されていないポジションが、確かにありました。特に外資系は、募集を公開せずエージェント経由だけで動かしているところがあります。

20社に会ったのは、この「見つけられない求人」の重複が少なかったからでもあります。5社に会っても、出てくる案件がほとんど被らない。セキュリティ求人の市場が薄いぶん、各社が持っている案件もバラバラでした。

② 不採用の理由が返ってくる

これが最大の価値でした。

直接応募だと、落ちたときに返ってくるのは定型文です。理由は分かりません。

エージェント経由だと、先方のフィードバックがそのまま伝わってきます。 「5年以上の経験がない」「セキュリティ以外の経験が長く即戦力として期待できない」といった具体的な文面です。

不採用83社のうち、76社(92%)の理由を記録できました。 これはエージェントが返してくれたからです。この92%がなければ、「落ちた理由の79%は経験不足」という集計そのものができていません。

次に何を直せばいいかが分かるのは、理由が返ってくるときだけです。

20社の内訳と、紹介件数の偏り

会った20社を性格で分けると、こうなります。

いちばん多かったのは外資系でした。これは検索の結果ではなく、最初から外資を中心に探していたからです。

社会人の最初の2社は日系でした。職場の雰囲気が合わず、3社目で外資に移っています。そこからはずっと外資で、自分に合うのはこちらだと分かっていました。

だからエージェントも、外資に強いところに自然と寄りました。「セキュリティ職を探したら結果的に外資になった」のではなく、外資のセキュリティ職を探していたという順番です。

この偏りは数字にも出ている

記事「103社応募した記録」で、日系の書類通過率25%、外資39%と書きました。ただしこの差を「外資のほうが入りやすい」と読むのは危険です。

自分は外資を本命として探していたので、外資の求人には準備を厚くしていました。応募先の選び方も、書類の合わせ方も違います。通過率の差には、それが混ざっています。

紹介件数は極端に偏った

エージェント経由の応募68社を、紹介元ごとに数えました。

つまり、20社に会っても、実際に案件を出してくれたのは5社でした。

「会う」と「出てくる」は別

残り15社が悪かったわけではありません。単に、条件に合う案件をその時期に持っていなかっただけです。

セキュリティ求人は流動が遅く、1社が常時抱えている数が少ない。だから会った時点では何も出せなくても、3か月後に出てくることがあります。

逆に言うと、1〜2社に絞ると「その2社がたまたま案件を持っていない期間」に当たるリスクがあります。20社は多すぎたかもしれませんが、5社では足りなかったと思います。

良かった3社に共通していたこと

この記事に広告リンクはありません。当サイトは将来、転職エージェントの紹介で収益を得る予定ですが、 2026年9月時点で以下の3社を含むどの会社とも、金銭的な関係はありません。実際に利用した個人の感想です。

enWorld・BRS・Skillhouse の3社が良かったです。

共通していたのは1点でした。押しが強くないこと。

こちらが「このポジションは違うと思う」と言ったときに、そのまま引いてくれる。無理に応募を勧めてこない。次の案件が出るまで待ってくれる。

名前を挙げていない会社が悪かったという意味ではありません。多くは普通に良い対応でした。ここに挙げたのは、特に印象に残った3社です。

なぜ「押しの強さ」で分かれるのか

セキュリティの求人は数が限られています。エージェント側も、出せる案件が少ない。

そこで「とりあえず出しましょう」と数を押してくるところと、「これは合わないと思います」と減らしてくるところに分かれました。

数を押されると、応募数は増えます。でも通過率は上がりません。 要件に届いていない求人に出しても、結果は同じです。増えるのは自分の作業だけでした。

連絡が来なかったところが2社あった

社名は出しません。不採用になったあと、連絡や理由を確認できなかったエージェントが2社ありました。

こちらから聞いても、手元の記録では返信を確認できていません。

責める話ではなく、構造の問題だと思っています。エージェントは企業から報酬を得るので、決まらなかった候補者への対応は後回しになりやすい。理由を伝える義務もありません。

ただ、候補者から見ると、理由が返ってこないエージェントは使う意味が薄いです。前の節に書いたとおり、エージェントの価値の半分は理由が返ってくることにあります。

面談で聞かれたのは、ほぼ「なぜ」だけだった

20社と面談して、セキュリティ職を志望する理由を掘られる以外に、特徴的な質問はほとんどありませんでした。

「なぜセキュリティをやりたいのか」。これだけです。

そこで話したことが、そのまま推薦文になる

この質問への答えは、エージェントが企業に出す推薦文の材料になります。自分の言葉がそのまま先方に届くと考えたほうがいい。

20社に同じことを聞かれるので、回数を重ねるほど答えが整理されていきました。 逆に言うと、最初の数社には整理できていない状態の説明を渡しています。

練習の意味でも、本命を最初にしないほうがいいというのは、20社受けたあとの実感です。

自分ならこう選ぶ

20社に会ったあとで、選び方を言語化するとこうなります。

最後の1つが意外と大きくて、「セキュリティに強い」と書いてあっても、GRC の求人はほとんど持っていないところがありました。初回の面談で扱っている案件の中身を聞くと、早めに分かります。

まとめ

この記録も一人分です。ただ、「エージェントを使うと通りやすい」と考えていたのは自分の思い込みで、実際に効いていたのは別のところだったというのは、記録を取っていなければ気づけませんでした。

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SecBilly

フルスタックエンジニアを10年、そこから情報セキュリティへ1年、現在は GRC 全般。情報処理安全確保支援士(RISS)と CISA は学習中です。

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